異世界へ飛ぶとは - 2018.10.06 Saturday

やはり、というか。まさか、というか。
こんな突拍子もない事態が起こったのは、昼下がりだった。

僕(そういえば千代坊という名前が僕にはある。)は、いつも通り昼飯を食べて、ゆっくりテレビでも観ようとしていた。
たまはちょうど、僕が覚えているかぎりだと皿洗いをしていたと思う。僕が食べた後、決まって皿洗いをするのだが、僕がなかなか食べないと最近は急かしてくる。まあこんな話はよしとして、そうだ、テレビを観ようとしていた、というところまでは話したか。
リモコンの電源ボタンを押そうとしたその時だった。

ズシン、という音がした。

最初は地震かと思ったが、その割にはズシンはおかしい。
ズシンとはなんだ。

たまも、異変に気付いて僕が座っているソファーまで駆け寄ってきた。そして、青ざめた顔で窓を指差した。

大きな目が、あった。

ベージュの、所々ペンキの禿げた窓枠に、大きな緑色の目があった。文字通り、目があった。僕と、その大きな目と目があったのだ。
だいぶ混乱するだろうが、僕の頭のなかでは、ただただ、また異世界へ飛んだか。という感想しか出てこなかったのだ。


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